片道の街から、回遊の島へ|石垣島・観光タクシー実証運行の企画と効果検証
タクシーは、足りない。
にもかかわらず、観光客を遠くへ運んだ車は、空車のまま戻ってくる。石垣島のタクシー事業が抱えていたのは、観光のまちづくりに携わる方にとって、もっとも腑に落ちにくい矛盾でした。観光客は年を追って増えつづけ、繁忙期には供給が追いつかないほど需要はある。それなのに、島内の移動に占めるタクシーの割合は驚くほど低く、利用は市街地に縮こまっていました。
当社は、石垣島のタクシー事業者で組織する八重山タクシー事業協同組合からの委託を受け、この構造の奥に何が横たわっているのかを、観光タクシーの実証運行を通じて解きほぐしました。タクシーが足りないのか、それとも運賃とルートの設計が、島の回遊と噛み合っていないのか──その問いに、島内の運行データと、5言語で集めた利用者の声が、ひとつの答えを差し出すことになります。
- 依頼者
- 八重山タクシー事業協同組合(沖縄県石垣市/石垣島のタクシー事業者で組織)
- 対象地域
- 沖縄県石垣島(八重山圏域)
- 背景となる事業
- 石垣市公共交通(タクシー)実証運行
- 業務内容
- 観光タクシー実証運行の企画・効果検証調査(マーケット調査/面的回遊モデルコースの企画立案/宿泊事業者等との連携/運行データの分析/利用者アンケートの分析/取りまとめ)
- 当社の役割
- 調査全体の設計、マーケット・事例調査、面的回遊モデルコースの立案、宿泊事業者連携の検討、実車・運行データの分析、多言語利用者アンケートの設計・集計・分析、業務報告書の作成
- 実施時期
- 2023年9月〜2024年2月
- 主な成果物
- 業務報告書(市場・事例分析/モデルコース/運行データ分析/利用者アンケート分析/提言)
- 活用の方向
- 事業者の運行施策・プロモーション・労務管理の参考データ/観光まちづくり(量から質)/二次交通整備の基礎資料
貸切タクシーの利用率
設計の柱
対応言語
回答(0〜10で評価)
01.観光客は増える。けれど、タクシーは追いつかない
当社が依頼を受けたとき、八重山タクシー事業協同組合、そして石垣島の観光関係者には、すでに共有された課題意識がありました。観光客は急速に増えているのに、その移動と消費が島の全域に行き渡っていない。川平湾をはじめとする著名な観光地と、市街地・ホテル・空港を結ぶ二次交通の整備が追いつかず、移動の多くがレンタカーに依存している、という問題です。
この背景には、石垣島のタクシー業界が地域全体で抱える構造的な事情がありました。認可台数の制約から、繁忙期やクルーズ船の来航日には島全体で配車が逼迫しやすい。車両の更新、キャッシュレス決済や多言語接遇への対応も、離島の事業者に共通する課題です。観光地の高質化やインバウンドの期待値に、二次交通の側がどう追いついていくかは、特定の一社ではなく、島の交通全体に投げかけられた問いでした。
こうした業界共通の構造に対し、組合は、加盟事業者による実証運行を通じて島全体の二次交通のあり方を検証する役割を引き受けました。これは補助金を得ることが目的の取り組みではなく、あくまで島のタクシー業界が自らの課題を解くために動いたものです。その費用の一部に公的な支援制度を活用しましたが、立てられた問いも、検証すべき仮説も、現場の課題意識から出発しています。当社はこの取り組みに伴走し、提言の根拠を「タクシー事業者・宿泊事業者・自治体・観光団体のいずれが見ても納得できる、運行データに基づく水準」まで磨き上げることを目指しました。市場と他地域事例の調査でタクシーが置かれた構造を描き、面的回遊のモデルコースを実際に走らせ、その運行データと利用者の声で検証する、という流れを設計しています。
結論を先に申し上げれば、この調査の過程で、当社自身も含めて、「タクシーが足りない」という素朴な見立ては、何度か輪郭を変えることになりました。
02.島は広い。けれど、タクシーは市街地しか走っていない
まず取り組んだのは、島内の移動がどの手段で担われているかの把握です。観光統計と運行データ、レンタカーの回遊データを横並びにして、「観光客は、何に乗って島を巡っているのか」を眺めました。
最初に目に留まったのは、移動手段の構成の偏りでした。
FIG.01
島内の移動手段別 利用率
レンタカーが過半を占める一方、観光周遊の主役になりうる貸切タクシーの利用率は4.1%にとどまります。一般タクシーを合わせても、島の回遊の中心はレンタカーに大きく傾いていました。観光客が増えつづけても、その移動はタクシーの外側で起きていたのです。(出所:沖縄県観光統計データ。島内移動手段の複数回答であり、合計は100%を超えます)
島内の回遊はレンタカーが過半を担い、観光周遊の主役になりうる貸切タクシーは、利用率がわずか4.1%にとどまっていました。レンタカーの回遊データを地図に重ねると、立ち寄り地点は海岸沿いに北部まで広がっている一方、タクシーの配車は市街地に強く集中し、川平湾以東や中北部にはほとんど届いていません。仮に配車依頼を受けても、現地までの迎車に相当の時間を要してしまうのです。
これは、観光客の動きが小さいから生じている偏りではありませんでした。レンタカーは島全体に広がっているのに、タクシーだけが市街地の点に縮こまっている。島の回遊そのものから、タクシーが構造的に外されていたのです。
03.「乗務員に有利な運賃」が、実は乗務員を苦しめていた
なぜ、タクシーは島の回遊から外れてしまうのか。乗務日誌の確認と乗務員へのヒアリングを重ねるなかで、運賃制度の構造が浮かび上がってきました。
川平湾のような遠隔地へは、距離制運賃での片道利用が中心になります。乗車時間を単純に比べれば、時間制よりも距離制のほうが一回あたりの売上は大きく見えます。そのため、距離制が選ばれやすいのは、運賃制度を前提にすれば乗務員にとって自然な経済合理性に沿った行動でした。一見すると、距離制は乗務員に有利な運賃に映ります。これは石垣島に限らず、距離制を基本とする多くの地域に共通する構造です。
ところが、片道で遠くへ運んだ車は、復路を空車のまま戻ってくる。この空車回送が積み重なると、稼働している時間あたりの実車率は下がり、結果として乗務員の収入と労働環境を細らせていきます。実車率の低下は増車をためらわせ、繁忙期の配車断りや人手不足という、最初の課題に逆流していくのです。
この構図は、石垣島に限った話ではありません。沖縄や離島では、急激な観光客の増加と乗務員の退職が重なり、実車率の改善が阻まれ、結果としてレンタカー料金の高騰まで引き起こしています。運転の手間まで考えれば、貸切タクシーのほうがむしろ割安になる場面さえあるのに、その担い手が育たない──こうした逆説は、近年さまざまな観光地で繰り返し観察されてきたものでした。
ここで、誘致すべきサービスの像がおぼろげに浮かびます。市街地と著名観光地を直線で結ぶ片道輸送ではなく、島全体を面的に巡る時間制の観光タクシーであれば、復路も実車となり、実車率を底上げできるのではないか。そしてそれは、観光消費を中北部へ波及させると同時に、乗務員の待遇改善にもつながるのではないか。その輪郭を、実証運行で確かめることにしました。
04.需要は、爆発していた ── 運行データが映したもの
仮説を確かめる前に、そもそも需要の地力がどれほどあるのかを、改めて数字で押さえておく必要がありました。観光統計を時系列で並べたとき、その伸びは想像以上でした。
FIG.02
石垣市の観光成長(2011年を100とした2019年の水準)
入域旅客数は約2.3倍、観光消費額は約2.4倍、クルーズ船の寄港回数は4倍超へと伸びました。需要そのものは確かに、かつ急速に膨らんでいたのです。それでも二次交通の整備が追いつかず、増えた来訪者の移動は、タクシーの外側で処理されつづけていました。(出所:石垣市観光統計。2020年は新型コロナの影響で急減しましたが、中長期の回復が見込まれます)
2011年から2019年にかけて、石垣市の入域旅客数は約2.3倍、観光消費額は約2.4倍、クルーズ船の寄港回数にいたっては4倍超に膨らんでいました。需要そのものは、確かに、かつ急速に存在していたのです。新型コロナ禍で一時的に落ち込んだものの、中長期では回復が見込まれます。
その膨らんだ需要に対して、実証運行の配車データは、別の現実を映していました。配車は市街地に集中し、川平湾エリアや北部への配車は少ない。さらに繁忙日には、観光客が動く朝や夕食後の時間帯に、電話による配車受付が需要に追いつかない時間帯が生じます。これは特定の事業者の問題というより、限られた認可台数と電話を軸とした受付という、地域に共通する仕組みがもたらす帰結でした。需要が増えるほど、面的な回遊からはこぼれ落ち、繁閑差だけが極端に開いていく──運行データは、その構造をはっきりと示していたのです。
05.利用者の声が覆した、二つの通説
実証運行では、利用者に対面でアンケートを実施しました。当社が組合とともに調査票を設計し、集計・分析を担いました。日本語のほか、英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語の5言語で調査票を用意し、回遊ルート・車両・乗務員への満足度から、情報の入手経路、推奨意向、再来訪意向までを聞き取りました。集まった声は、現場で共有されていた二つの通説を、静かに覆していきました。
通説①「観光タクシーはシニアのもの」
観光タクシーは一般にシニア層をターゲットと考えられがちですが、実証運行の利用者の年齢層は幅広く、特定の世代に偏りませんでした。八重山を訪れる観光客そのものに年齢の幅があり、その傾向がそのまま表れた形です。20代から40代までを視野に入れたプロモーションとサービス設計が望ましい、という示唆が得られました。
通説②「タクシーの情報は、現地で受け取るもの」
情報の入手経路は、ホテルスタッフからの案内やガイドブックに加え、他の観光客や知人からの口コミ、タクシー会社の公式サイトやSNSが多くを占めていました。観光タクシーをテーマとするSNSアカウントが数万人規模のフォロワーを抱える例もあり、口コミとSNSの比重が高まっています。宿泊施設や観光団体と連携したSNS運用が、有効な打ち手になりうることが見えてきました。
そして、推奨意向(NPS)は際立って高いものでした。「家族や友人に勧めたいか」「次回も利用したいか」という問いに対し、0〜10の評価で最も多かった回答は最高点の10。観光タクシーを一度利用した人の満足は、はっきりと高かったのです。
もっとも、当社はこの結果をそのまま手放しで受け取りませんでした。車両や乗務員への満足度の質問は、乗務員が対面で調査票を手渡す形式だったため、回答に遠慮が含まれた可能性があります。利用後にウェブで回答してもらうなど、回答の客観性をより担保する設計が次の検証の課題である──そう正直に報告書へ書き添えています。数字を割り引いて読む姿勢まで含めて、はじめて調査の意味がある、と当社は考えています。
06.片道の街から、回遊の島へ
需要の地力、運賃とルートの構造、そして利用者の声。これらが揃った時点で、当社は実証運行のモデルコースを、面的回遊と時間制を軸に設計しました。市街地と著名観光地を直線で結ぶのではなく、島全体の魅力を巡る時間制のコース群です。一覧として並べると複数本になりますが、大切なのは本数ではなく、どのような考え方でコースを束ねたかにあります。設計の柱は、三つでした。
第一に、稼働の「谷」だった時間帯にこそ、価値のあるコースを置く
距離制の片道輸送が中心だった頃、夕方から夜にかけての時間帯は、稼働の谷になりがちでした。そこで、夕陽や星空、季節の生きものといった、その時間帯にしか味わえない島の表情を巡るコースを設計しました。石垣島は、国内でも数少ない、空に多くの星が見える島です。昼間の景勝地だけでなく、夜の時間帯に独自の価値を持たせることで、稼働の波そのものをならすねらいです。
第二に、移動を「体験」と結び、滞在の価値を引き上げる
単に名所を巡るだけでなく、島の海や暮らし、文化に触れる体験と結びつけたコースも設けました。移動の途中に体験が組み込まれることで、観光客の滞在時間と消費単価が伸び、その効果が立ち寄り先の事業者にも波及していきます。タクシーを、目的地へ運ぶ手段から、島の魅力を編集して届ける存在へと位置づけ直す試みです。
第三に、滞在時間に合わせて、行程を選べるようにする
観光客の自由時間は、人によって、また日によってさまざまです。そこで、乗車を始める時間と、確保できる滞在時間に応じて行程の長さを選べるコースを用意しました。短い時間でも島の要所を、長く取れるなら中北部まで足を延ばして──と、面的な回遊を時間に合わせて柔軟に組めるようにしています。
これらに共通する設計の要点は、時間帯によって見るべき場所が変わることを前提に、乗車開始時間から逆算して行程を組むことです。昼は北西部の景勝地や内陸、夕方は岬やビーチ、夜は星空。日中の片道輸送だけに頼らず、稼働の谷だった時間帯にこそ価値のあるルートを置く。これにより、復路も実車となり、稼働の波もならされていきます。
FIG.03
「片道輸送」から「面的回遊」へ ── 実車率と待遇を同時に立て直す筋道
距離制の片道輸送は、一見すると乗務員に有利に見えます。しかし空車回送が常態化すると実車率が下がり、結果として乗務員の収入と労働環境を圧迫します。時間制の面的回遊ルートは、観光客の回遊価値と乗務員の待遇という、本来トレードオフに見える二つを同時に立て直す筋道でした。
このモデルコースが目指したのは、単なる新商品の追加ではありません。距離制の片道輸送がつくっていた空車回送を、面的回遊によって実車に変えること。その先に、観光消費の中北部への波及と、乗務員の待遇改善という、本来トレードオフに見える二つの成果を同時に立てることでした。
─── 石垣島のタクシーの話、として読まれているかもしれません。けれども
本記事をお読みになりながら、ご自身の地域や、検討中の二次交通・観光振興の課題と重ねた方も、少なくないのではないかと思います。二次交通の脆弱性、オーバーツーリズム、観光消費の地域偏在、交通事業者の人手不足、補助事業の効果検証──いずれも、運行データと複数関係者の合意がなければ、なかなか動かない種類の課題です。
当社は本件のような実証運行の企画・効果検証だけでなく、観光まちづくりや周遊ルートの設計、補助事業・交付金事業の計画策定と実績報告、宿泊・観光施設の事業計画策定まで、観光産業の課題に幅広く伴走しております。次の章では、本記事をお読みくださっている読者層ごとに、どのようなご相談があり、当社がどう関与してきたかを整理いたします。
07.この調査が、その後に残したもの
本業務によって、石垣島の観光タクシーが置かれた構造、面的回遊モデルコースの設計、実車運行データと利用者の評価が、関係者で共有可能な形に整理されました。この後、その内容は、運行の現場とまちづくりの双方で使われていくことになります。
事業者の運行施策へ
面的回遊・時間制を軸とするコース体系と、稼働の谷を埋めるツアー設計が示され、実車率の安定に向けた運行施策の土台になりました。
プロモーション設計へ
口コミとSNSの比重が高いこと、年齢層が幅広いことが定量的に示され、宿泊施設や観光団体と連携した予約導線・SNS運用の方向づけにつながりました。
労務管理・採用改善へ
実車率と乗務シフト、繁忙日の配車受付状況がデータで可視化され、待遇改善や人材確保を議論するための共通の前提が用意されました。
観光まちづくり(量から質)へ
観光客数の増加ではなく消費単価と回遊性の向上をねらう「量から質」の方針に、二次交通の具体策として接続できる基礎資料となりました。
本調査の本当の意義は、9本のモデルコースそのものではありません。タクシー事業者・宿泊事業者・観光団体・自治体という、立場も時間軸も異なる関係者が、同じ運行データを前提に、観光消費と労働環境を同時に語れるようになったこと──それが、長く動かなかった島の二次交通に、最初の一押しを与えました。地味ですが、決定的に重要な変化だったと考えています。
08.こんなご相談を、これまで頂戴してきました
本記事のような実証運行の企画・効果検証に限らず、観光・交通・地域振興に関するご相談は、立場の異なるさまざまな方からお預かりしています。代表的な五つの立場と、よく頂戴するご相談の輪郭を、参考までに整理しておきます。
自治体の観光・交通政策ご担当の方
観光客は来ているのに、消費が地域に広がらない。二次交通の脆弱性やオーバーツーリズムに手を打ちたいが、施策の根拠と効果検証の枠組みが欲しい。
地域の交通・観光課題の整理、実証運行や社会実験の企画設計、運行データ・利用者調査による効果検証、議会や庁内の合意形成に耐える定量的アウトプットまでを整えます。
交通事業者(タクシー・バス会社)の方
実車率や乗務員の労働環境が上向かず、増車や新サービスの判断がつかない。新しい運行のかたちを、データに基づいて検討したい。
運行データの分析、運賃・ルート設計の見直し、面的回遊や時間制プランの設計、実証運行を通じた効果検証まで、運行施策と労務改善を同じ土俵で検討できる材料をご提供します。
DMO・観光協会・地域経済団体の運営にあたる方
「量から質」へ舵を切りたい。観光消費の地域偏在や回遊性の低さを、関係者で共有できる形で把握し、具体策につなげたい。
周遊ルートや二次交通の設計、宿泊・観光・交通事業者を横断した連携の枠組みづくり、地域全体の歩調を揃えるための調査と勉強会に伴走します。
宿泊事業者の方
館外の周遊や二次交通が弱く、滞在価値や宿泊日数を伸ばしきれない。交通事業者との連携や周遊プランを設計したい。
二次交通との連携設計、観光周遊を組み込んだ宿泊プランの企画、予約導線・送客の仕組みづくりから、施設の事業計画策定支援まで、滞在価値の向上に必要な分析をご提供します。
補助事業・交付金を活用して実証に取り組む地域・事業者の方
補助事業で実証を行うことになったが、企画の組み立てから、データに基づく効果検証、実績報告までを一貫して任せられる相手がいない。
補助事業・交付金事業の企画立案、KPI設計、実証運行の設計・実施、運行データと利用者調査による効果検証、実績報告書の作成まで、事業の入口から出口まで伴走します。
もし以上のいずれかが、ご自身や所属組織の現在の状況に近いと感じられましたら、次の章でご紹介する業務メニューも参考にしていただけるかもしれません。
09.実証運行の効果検証という仕事の核心
本業務を通じて当社が用いた、観光・交通分野の実証運行を企画し、効果を検証する型は、次のように整理できます。他地域の二次交通や周遊施策の検討においても、繰り返し用いている五段階のプロセスです。
観光戦略や交通網整備の上位計画、観光統計、他地域の取り組み事例を読み込み、地域が目指す観光像と、二次交通・移動手段の現状とのギャップを整理します。
乗務日誌・配車データ・乗務員ヒアリングから、運賃やルートの構造、実車率や繁閑差といった運行の実態を可視化し、課題の所在を特定します。
仮説に基づくモデルコースを設計し、実証運行として実際に走らせます。机上の計画にとどめず、現場の運行を通じて、需要と運行効率の双方を確かめます。
多言語の利用者アンケートを設計・実施し、属性・情報経路・満足度・推奨意向を捕捉します。回答バイアスの所在まで含めて、客観性のある形で整理します。
運行データと利用者調査を突き合わせ、観光消費と労働環境の双方への効果を検証。事業者・宿泊・観光団体・自治体のいずれからも参照可能な提言として整理します。
このプロセスの本質は、データの精緻さそのものではありません。立場の異なる関係者が、同じ運行データを前提に議論を始められる状態をつくること──そこに尽きると考えています。当社は、このために調査・効果検証の業務をお引き受けしています。
10.ご相談いただける業務メニュー
当社が観光・宿泊・交通分野で提供している業務のうち、本記事のテーマに関わるものを、ご相談の進め方の見当がつくよう整理しました。「自分の状況なら、どこからご相談できるか」をイメージしていただくための、ごく簡易な見取り図です。
いずれも、案件の規模・複雑度・関係者の数によって関与の形を柔軟に調整しています。「自分の案件はどのメニューに当てはまるか分からない」「複数にまたがっている気がする」というご相談も多く頂戴しており、その整理自体を初回相談でお手伝いしています。
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沖縄や離島では、観光客の急増と乗務員の退職が重なり、実車率の改善が阻まれ、レンタカー料金の高騰まで引き起こしています。運転の手間まで考えれば、本来は貸切タクシーのほうが割安になる場面さえあるのに、その担い手が育たない。これは石垣島だけの話ではなく、二次交通の弱い多くの観光地に共通する逆説です。
難しいのは、観光消費と乗務員の待遇を、別々の問題として扱わないことです。両者は片道輸送という一つの構造でつながっており、運賃とルートの設計を変えれば、同時に立て直せる。立場の異なる関係者が同じ運行データを前提に議論を始められる土台をつくる。それが、地域の二次交通を動かす最初の一歩になります。
株式会社アルファコンサルティング 代表 青木康弘構想を、現実のかたちへ。
初回相談(60〜90分・無料・オンライン可)では、お手元の構想や課題を整理し、当社がどう関与できるかをその場でご一緒に考えます。特定の業務に絞った形ではなく、本記事のテーマに沿うご相談であれば、次のような論点を扱うことができます。
- 現状の観光・交通課題、運行や移動手段の実態の整理(自治体・事業者・観光団体いずれの立場でも構いません)
- 他地域の二次交通・観光タクシー・周遊施策の参考事例のご紹介
- 想定スキーム(実証運行・効果検証・周遊設計・補助事業・事業計画等)のラフな見当と進め方
- 次のアクションへ進むうえでの優先順位の整理
ご相談の際に、観光・交通の計画、運行データ、補助事業の要件など、お手元の資料を共有いただけると、初回相談の密度が高まります。まだ何もない段階でのご相談も歓迎しております。
ご相談はこちら描いた構想を、
ともに、かたちに。
こうしたい、こう変えたい——経営者が描いた構想を、ともにかたちにしていくのが弊社の役割です。数多くの経営に寄り添ってきた立場から、依頼者の望むかたちを、いちばんに考えます。
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