菜の花女将会主催「ホテル・旅館のカスハラ対応、その線引きと仕組みづくり」セミナーで講師を務めました
令和8年10月7日(水)、千葉市のホテルプラザ菜の花において、千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合・菜の花女将会主催のセミナー「2026年10月義務化 ホテル・旅館のカスハラ対応、その線引きと仕組みづくり」が開催され、弊社代表取締役の青木康弘が講師を務めました。カスタマーハラスメント(カスハラ)対策が全事業主の義務となった改正労働施策総合推進法の施行(10月1日)直後の開催となり、千葉県内の旅館・ホテルの女将、経営者、現場責任者の皆様にご参加いただきました。
OVERVIEW開催概要
| 開催日時 | 令和8年10月7日(水)11:00〜15:00 |
|---|---|
| 会場 | ホテルプラザ菜の花(千葉市中央区) |
| 主催 | 千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合 菜の花女将会 |
| セミナー名 | 2026年10月義務化 ホテル・旅館のカスハラ対応、その線引きと仕組みづくり |
| 講師 | 青木 康弘(株式会社アルファコンサルティング 代表取締役) |
| プログラム | 11:00 講演(途中休憩・質疑応答)/13:00 講師を交えた昼食会・交流会/14:45 終了 |
| 参加者 | 千葉県内の旅館・ホテルの女将・経営者・現場責任者(1施設2名まで) |
| 配布資料 | 方針作成キット・指針サンプル、初動対応マニュアル、お客様応対記録票、義務化4措置セルフチェックリスト |
01講演の趣旨
令和8年10月1日に改正労働施策総合推進法が施行され、カスハラ対策に関する体制整備が規模を問わずすべての事業主の義務となりました。パワハラ防止法のときのような中小企業への猶予期間はなく、旅館・ホテルも施行日から対象です。本セミナーは、施行直後のこの時期に、宿泊業の現場に即した対応を整理することを目的として企画されました。
講演は「法律の解説」ではなく「経営の話」として組み立てました。カスハラは以前より減ったものの、怒鳴るタイプから値引きや無料化を狙うタイプへと形を変えていること、最初に辞めていくのは現場で最も能力のある人材であること、スタッフに我慢させる経営は採用・育成費、労災、損害賠償という形で結局最も高くつくことを、冒頭で確認しました。
あわせて、2023年9月の労災認定基準の改正、同年12月の改正旅館業法の施行、2024年4月の合理的配慮の民間義務化、2026年10月の改正労働施策総合推進法という、この3年間の法制度の流れを整理しました。
02講演内容
講演は4部構成で、各部の間に判定ワークを挟み、参加者の皆様に実際の場面を判断していただく形で進めました。
カスハラの現状と人材への影響、「我慢させる経営」の費用、法制度の変遷を解説しました。線を引くとはお客様を選ぶことであり、お客様を大切にすることと際限なく理不尽に耐えることは別の話である、という整理を第1部のまとめとしました。
判断の基準を、要求の「中身」が妥当かどうかと、要求の「やり方」が常識の範囲かどうかの二軸に絞って説明しました。声の大きさや態度は基準にならないこと、どちらか一方が社会通念上の範囲を超えていればお断りできることをお伝えしました。判定ワークでは、常連のお客様、団体の幹事、チェックアウト後の電話、当日キャンセルなど、実務で迷いやすい7つの場面と、口調は穏やかなまま線を越えていく発言の例を扱いました。
改正旅館業法に基づく宿泊拒否の要件(特定要求行為の「繰り返し」)、属性を理由とした拒否や合理的配慮との区別、初動5カ条、記録の取り方を説明しました。宿泊をお断りした場合の記録は旅館業法上の義務であり3年間の保存が必要であること、日常の応対記録が繰り返しの立証や労災・賠償への備えになることをお伝えしました。
事業主に求められる4つの措置(方針の明確化と周知、相談体制の整備、対応と記録の仕組み、相談したスタッフの保護)について、方針・就業規則・宿泊約款・現場手順書を一体で整える手順を解説しました。罰則の内容、日本旅館協会のマニュアルやホテル各社の方針公表など業界の動向にも触れました。
講演の最後には、明日から取り組むことを「自館の線引きを決めて言葉にする」「初動5カ条を全員に共有する」「応対記録票を1枚作って書き始める」の3点に絞り、配布資料の方針作成キット、初動対応マニュアル、お客様応対記録票、セルフチェックリストの使い方をご説明しました。
03当日の様子
当日は、千葉県内の温泉旅館、ビジネスホテル、シティホテルなど様々な業態の施設から、女将、経営者、支配人やフロント責任者などの現場幹部の皆様にご参加いただきました。1施設2名まで参加可能という形式であったため、経営者と現場責任者が揃ってご参加くださった施設も多く見られました。
判定ワークでは、同じ事例でも施設によって判断が分かれる場面があり、線引きは一律ではなく各施設で決めるものであることを、参加者の皆様と共有することができました。質疑応答では、常連のお客様への対応、宴会での団体客の扱い、キャンセル料をめぐるやり取りなど、具体的な場面についてのご質問をいただきました。講演後の昼食会・交流会でも、各施設で実際に起きた事例についてお話を伺う機会となりました。
このたびの機会を賜りました菜の花女将会ならびに千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合の皆様、会場のホテルプラザ菜の花の皆様に、心より御礼申し上げます。
LECTURE講演・研修のご依頼について
弊社では、旅館・ホテルのカスハラ対応をはじめ、経営改善、人材、集客、事業承継などをテーマとした講演・研修を、業界団体・組合、自治体・観光地域づくり法人(DMO)、金融機関、宿泊事業者の社内研修向けにお引き受けしております。カスハラ対応については、本セミナーと同様に、判定ワークと配布用テンプレートを組み合わせ、翌日から各施設で取り組める内容として構成することが可能です。テーマ、時間、ご参加者に合わせて組み立てますので、お気軽にご相談ください。
