訪日外国人客向けのホテルに適した立地が分かる4つのポイント

こんにちは。ホテル旅館コンサルタントの青木康弘です。

訪日外国人客(個人旅行:FIT客)の行動を見ていると、意外なホテルが高評価を集め集客に成功していることがあります。このようなホテルの楽天・じゃらんの口コミ点数を見ると決して高くはありません(むしろ地域平均から見ると低いくらいです)が、トリップアドバイザーの外国人からの評価(外国語による口コミ点数)は非常に高いことが分かります。

なぜこのような現象 (日本人口コミ評価 ≠ 外国人口コミ評価) が起きるのでしょうか?

もちろんホテル経営者のセールスやサービスに対する努力の賜物によるところがあるのですが、立地も大きなポイントとなります。今回は、新しくホテルの経営を始める方向けに立地選びのポイントをご紹介します。もちろん、すでにホテル旅館を運営していて、今回インバウンド客向けのホテルへ多角化を検討している方にも参考になれば幸いです。

 

訪日外国人の感覚でとらえた「交通の便の良い」立地を探す

ホテルに限りませんが、駅に近い、利用者の大きな駅が最寄りであるなどの交通の便の良さは物件の立地を考える上での最重要ポイントになります。

駅から近く、わかりやすい場所にある物件ならば利用者にとっての利便性が高く、海外の利用者を呼び込みやすいといえるでしょう。できれば坂道や階段、歩道橋がある場所よりも、大きな荷物を持ち運びしやすいように平地にある場所を選びたいものです。さらに駅から近いだけではなく、観光客が訪れる場所に行きやすい駅を選ぶ必要もあります。

ただし、交通の便の良さは、日本人の感覚でとらえてはいけません。実際に、日本人には「交通の便が悪く古くて狭いホテル」と口コミが書かれているホテルなのに、外国人は「Nice Location(立地が良い)」、「Good value for money(コスパが良い)」、「Great Hotel at a Great Price(素晴らしい立地にある素晴らしいホテル)」と書かれているホテルが実際にあります。日本人と訪日外国人では、観光の目的地が違うケースがあるので、日本人の立地の常識にとらわれないようにしましょう。

インバウンド向けホテルを作ろうとしている立地が本当に交通の便が良いかどうかは、既存ホテルの外国人による口コミを見ると判断しやすいでしょう。

 

外国人にとって「周辺環境が良い」立地を探す

交通の便の良さとともに、周辺環境も立地選びの重要なポイントです。訪日外国人客は食べ歩きを楽しみにする方も多いでしょう。できれば周辺に飲食店の多いエリアに出店したいですね。地域によりますが、海外だとリゾートホテルを除いて、朝夕ともホテルの外で食事を取るケースが多いので、このような習慣を持った訪日外国人客相手ですと、ホテルの料飲売上を伸ばすことが難しいです(売れたとしても、採算ベースに乗らない安い価格帯の料理ばかり注文されます)。宿泊プランは、素泊まりと1泊朝食に絞って、レストランの内装や厨房設備に投資しすぎないことをお勧めします。

周辺に飲食店がなくても外国人向けの観光スポットが近くにあれば、そのスポット目当てのお客がダイレクトに訪れるので、確実な需要を見込むことができるでしょう。その他にも周辺に警察署や派出所があると治安や道案内の面で安心感があるので観光客も安心して宿泊できます。

交通の便の良い駅周辺には、大抵の場合、繁華街もあるので外食をする場所には困らないものですが、ホテル内で自動販売機程度しか置けないのであれば、最低限コンビニエンスストアが施設から見て、すぐに分かる場所にあるような立地を選びましょう。

 

外国人向けのガイドブックを見て探す

ホテル建設の立地を選ぶ際に、有名な観光地の近く、もしくは観光地にアクセスしやすい場所を選びたくなるものです。もちろんそれは間違いではないですが、有名な観光地の近くはすでにホテルを新設する場所がなかったり、家賃や土地の坪単価が高かったりします。

そういった場合に、参考にしたいのが「外国人向けのガイドブック」です。日本ではあまり知名度がないような場所でも、実は外国人にとって人気の観光地はあるものです。日本人と外国人では嗜好も違いますし、目的も異なってくるものです。あまり知名度のない場所なのに、外国人観光客が多く訪れる場所を見抜くために、外国で発行されている、日本旅行のためのガイドブックを入手してみましょう。そしてその本を参考にして、ホテル建設の穴場を見抜いていくのです(海外の訪日旅行向けのポータルサイトの情報でもOKです)。

 

観光関係の統計や情報源により穴場地域を探す

訪日観光客の情報は観光庁のホームページで詳しく確認することができます。出発地別の外国人客数から性別、年齢、訪日目的、主な宿泊地、消費額などを知ることができます。より具体的な情報が知りたいならば、国会図書館が提供している情報サイト「リサーチナビ」にある「観光・宿泊産業について調べるには(統計・名鑑・インターネット情報源等)」で分かりやすく整理されているのでお勧めです。

最近では、大阪を除いて都市部ではホテルの供給過剰が心配されていますし、不動産価格も高騰しておりますので、あえて競合が少ない穴場(インバウンド客が増えているのにホテルが少ない地域)を狙っていくのも手です。

条件の良い立地は家賃や地価が高く、なかなか物件を購入できるものではありません。タイミングと運にも左右されます。資金がない場合は、いかに予算内で穴場物件を探すことができるのかというのがその後の経営を大きく左右していきます。短期間ですぐに決めようというのではなく、納得できるまで時間を掛けて入念に調査をしてから決めるようにしましょう。

今回紹介した考え方は、一般的なホテルだけでなく、ホステルやカプセルホテル、マンションホテル、ゲストハウスなどでも応用できるでしょう。参考になれば幸いです。

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