旅館・ホテルは仕出し・宅配を強化すべきか|遊休資源を収益に変える条件

こんにちは。ホテル旅館コンサルタントの青木康弘です。

「館の料理を、宿泊以外でも売れないだろうか」というご相談が増えています。旅館はもちろん、レストランや宴会場を持つホテルでも、同じ問いをよくいただきます。背景にあるのは、厨房や調理人という資源が、宿泊のピーク以外の時間帯には十分に活かしきれていない、という問題意識です。

仕出しや宅配は、その遊休資源を収益に変える有力な選択肢です。一方で、安易に手を出して本業を圧迫してしまう例も見てきました。やるべきかどうかは、施設の条件をきちんと見極めることから始まります。本記事では、向く施設・向かない施設の条件から、代行に頼らず自社で育てる進め方までを、特定の業者と利害関係を持たない独立した立場から整理します。

この記事を読むとわかること

  • 1なぜ今、仕出し・宅配に目を向ける施設が増えているのか
  • 2旅館・ホテルが仕出し・宅配に向いている理由
  • 3原価率ではなく「限界利益」で見る収益構造
  • 4取り組む価値が高い施設・慎重に判断すべき施設
  • 5デリバリー代行に頼らず自社チャネルで育てる方法

こんなお悩みはありませんか

□ 厨房や調理人が、宿泊の合間に十分活かせていない

□ 仕出しや宅配を始めたいが、本当に儲かるのか分からない

□ デリバリー代行の手数料が高く、利益が残らない

□ 法事や法人の料理需要に応えたいが、進め方が分からない

□ 本業を圧迫せずに、新たな収益源をつくりたい

▶ 本記事で、自館に向くかどうかを見極める判断基準を手に入れましょう。

第1章
なぜ今、仕出し・宅配に目を向ける施設が増えているのか
仕出し・宅配に取り組む厨房
遊休資源を宿泊以外の収益に変える
要点

理由は二つ。デリバリー代行は薄利で寡占も進み、収益の主導権を握りにくいこと。そして法人・慶弔の料理需要が底堅いこと。持ち帰り・宅配が軽減税率(8%)の対象である点も追い風です。

理由は二つあります。一つは、フードデリバリー代行への期待が現実的な水準に落ち着いてきたことです。出前を代行するプラットフォームは、注文のたびに高い手数料がかかり、もともと薄利な料理ではほとんど利益が残りません。2026年には海外大手の一社が日本市場から撤退し、サービスが寡占化したことで、加盟店から見た手数料の交渉余地はかえって狭まりました。代行に依存する形では、収益の主導権を握りにくいのが実情です。

もう一つは、法人や冠婚葬祭の料理需要が底堅いことです。法事や慶弔、家族のお祝いといった場面では、特別な料理を信頼できる先に頼みたいという需要が安定して存在します。地域の飲食店が減るなかで、こうした需要の受け皿が不足している地域も少なくありません。ここに、宿としての信用とブランドを持つ旅館・ホテルが応える余地があります。

なお、店内での飲食には標準税率(10%)が適用されますが、持ち帰りや出前、宅配といった飲食料品の提供は、現時点では軽減税率(8%)の対象です。お客さまにとっては、同じ料理でも持ち帰り・配達の方が割安に感じられる点も、追い風の一つといえます。さらに近年は、食料品の消費税率を引き下げる議論も政治の場で活発になっています。仮に店内飲食との税率差が広がれば、持ち帰りや宅配がいっそう選ばれやすくなる可能性があります。税制の動向は、仕出し・宅配にとって追い風となりうる要素として、注視しておくと良いでしょう。

→ では、なぜ旅館・ホテルがこの分野に向いているのか。新規参入者との決定的な違いを次章で見ます。

進捗:第1章/全7章 ■□□□□□□□□□ 14%

ここまで読了:約2分 / 残り約12分

第2章
旅館・ホテルが仕出し・宅配に向いている理由
厨房・調理人・ブランドという資源
すでに揃った資源の稼働率を上げる
要点

新規参入者とは出発点が違います。厨房・調理人・調達網・信用がすでに揃い、固定費を本業と共有できるため限界利益が出やすい。信用が問われる法事・慶弔の場面に強いのも旅館・ホテルの利点です。

仕出し・宅配を一から始める新規参入者と、旅館・ホテルとでは、出発点がまったく異なります。

資源がすでに揃っている

新規参入者は、厨房も調理人も調達網も信用も、ゼロから用意しなければなりません。これに対して旅館・ホテルには、調理設備、技術を持つ調理人、食材の調達ルート、そして地域での信用とブランドが、すでに備わっています。新たに大きな投資をせずとも、持っている資源の稼働率を上げるだけで事業が成り立つ可能性があるのです。

固定費を本業と共有できるため、限界利益が出やすい

仕出し・宅配の原価率は、容器や包材の費用が加わるため35%前後が目安となります。この数字だけを見ると利益が薄いように思えますが、収益性は限界利益(売上から、その売上のために追加でかかった費用だけを引いた利益)で考える必要があります。厨房の家賃や調理人の人件費は、宿泊事業のためにすでに支払っている固定費です。宿泊のすき間時間に料理を作るのであれば、これらの費用は追加で発生しません。追加でかかるのは食材費・容器代・配達コストだけですから、売上の多くが利益として残りやすい構造になります。これが、固定費を本業と共有できる旅館・ホテルならではの強みです。

「信用」が問われる場面に強い

法事や慶弔、お祝いの料理は、失敗が許されない場面です。だからこそ、名の知れた宿の料理であるという信用が、そのまま選ばれる理由になります。価格競争に巻き込まれにくく、相応の単価を維持しやすいのも、この分野の特徴です。

→ この「限界利益」という考え方を、図で具体的に見てみましょう。次章が収益構造の核心です。

進捗:第2章/全7章 ■■■□□□□□□□ 28%

ここまで読了:約4分 / 残り約10分

第3章
収益構造を正しく理解する ― 原価率より「限界利益」
限界利益で収益構造を見る
原価率35%でも利益が残る理由
要点

店内と同じ感覚で原価率だけを見ると判断を誤ります。固定費が増えないなら、原価を引いた残りの大部分が利益に近づきます。鍵は「追加で何がかかったか」という限界利益の視点です。

料理の原価率の考え方は、当サイトの料飲の原価率の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。ここでは、仕出し・宅配に固有の収益構造を整理します。

仕出し・宅配の採算を判断するとき、店内の料理と同じ感覚で原価率だけを見ると、判断を誤ります。容器・包材費が乗る分、原価率は店内提供より数ポイント高くなります。しかし前章で述べたとおり、固定費が増えないのであれば、35%の原価を差し引いた残りの大部分が利益に近づきます。重要なのは、その料理を作るために本当に追加で何がかかったか、という限界利益の視点です。下の図は、提供形態ごとに、施設にどれだけ利益が上乗せされるかを比べたものです。

料理1品(売価1,000円)を「追加で」売ったときの利益

厨房や建物の費用は、宿泊事業のためにすでに支払っています。料理を1品「追加で」作って売るとき、新たに増えるのは食材費や容器代などだけです。その増える費用だけを売価1,000円から引いて、施設にいくら利益が上乗せされるかを比べました。
上乗せ
¥450
上乗せ利益 450
人件費ほか 250
食材 300
上乗せ
¥500
上乗せ利益 500
配達 80
食材 300
上乗せ
¥250
上乗せ利益 250
手数料 350
食材 300
自社レストラン
(店内提供)
自社で仕出し
(宅配)
代行サービス
(Uber Eats等)
▲ 網かけは厨房・建物などの固定費。宿泊事業と分け合うため、追加で売っても増えません。
食材 容器・包材 配達 人件費ほか 手数料 上乗せ利益

※ 数値は構造を示すための仮定値です。
※ 自社仕出しは手数料も接客も不要で、上乗せ利益が最も厚くなります。代行サービスは手数料35%が利益を大きく削ります。

一方で、見落とすと痛手になる落とし穴が三つあります。第一に、本業のピーク時に厨房が逼迫しては本末転倒です。宿泊の繁忙期や夕食の仕込み時間に外販の負荷が重なれば、本業の質が下がります。第二に、原価を積み上げて売値を決めた結果、地域の相場と乖離して売れず、値引きに追い込まれる失敗です。売値は相場とお客さまの納得感から逆算して決めるべきです。第三に、薄利の受注を大量に抱えて現場が疲弊することです。数より単価と利益で選ぶ姿勢が欠かせません。

→ 収益構造が分かったところで、自館が取り組むべきかどうか。次章で条件を点検します。

進捗:第3章/全7章 ■■■■□□□□□□ 43%

ここまで読了:約6分 / 残り約8分

第4章
やるべき施設・やめた方がよい施設
自館の条件を点検する
条件が合えば有力、合わなければ本業を損なう
要点

条件の合う施設には有力ですが、合わない施設が無理に取り組むと本業を損ないます。法事・宴会の実績、配達できる商圏、厨房の余力、ブランド、自社で告知・配達できる体制が見極めの鍵です。

仕出し・宅配は、条件の合う施設にとっては有力ですが、合わない施設が無理に取り組むと本業を損ないます。下表を目安に、自館の状況を点検してください。

取り組む価値が高い施設慎重に判断すべき施設
法事・日帰り宴会の実績や問い合わせがある宴会・法事の需要がほとんどない
近隣に住宅地や法人など配達できる商圏がある配達先となる商圏が遠い・薄い
昼や閑散期に厨房・人員の余力がある厨房が宿泊対応で常時逼迫している
地域での知名度・ブランドがある安売りで宿の格を損なう懸念がある
自社で告知・配達の体制を組める告知も配達も外部に丸投げするしかない

特に、かつて日帰り宴会や法事の利用が多かった施設は、その需要がそのまま配達料理のニーズに移りやすく、最も有望な候補といえます。逆に、厨房が宿泊で手一杯の施設や、配達の体制をどうしても組めない施設は、無理に取り組むべきではありません。

→ 取り組む価値があるとして、ではどう始めるか。多くの方が最初に思い浮かべる代行サービスから検討します。

進捗:第4章/全7章 ■■■■■■□□□□ 57%

ここまで読了:約8分 / 残り約6分

第5章
デリバリー代行をおすすめしない、実態に即した理由
デリバリー代行の手数料構造
手数料35%が利益を二重に削る
要点

デリバリー代行への依存は収益面でおすすめできません。手数料35%が原価率に二重で効き、価格にも転嫁しきれない。顧客もブランドも自館に残らず、寡占で交渉余地も狭まっています。

仕出し・宅配を始めるとき、Uber Eatsや出前館といったデリバリー代行サービスへの加盟が、まず思い浮かぶかもしれません。手軽に見えますが、旅館・ホテルがこれに依存することは、収益の面でおすすめできません。理由を、数字とともに具体的に見ていきます。

手数料が、原価率に二重で重くのしかかる

主要なデリバリー代行の販売手数料は、いずれも売上の35%前後(税別)が標準です。出前館のように、この35%がサービス手数料と配達代行手数料に分かれていて、自店で配達すれば配達分を抑えられる仕組みもありますが、配達までプラットフォームに任せれば35%前後が基本となります。これに加えて、出店時の初期費用、注文用の端末、包装費などの負担も生じます。

問題は、この手数料が仕出しの原価率に二重で効いてくることです。仕出しの原価率は容器代を含めて35%前後。そこに手数料の35%が重なれば、売上のおよそ7割が原価と手数料で消えてしまいます。残った3割から人件費や諸経費を支払えば、手元に残る利益はごくわずかです。質の高い料理ほど原価額が高くなりますから、旅館・ホテルの料理は、この構造の打撃を特に強く受けることになります。

手数料を、価格に転嫁しきれない

かつては、手数料の分を販売価格に上乗せし、店頭価格の1.5倍ほどで売るのが一般的でした。ところが近年は、注文者が使いやすいように、店頭価格との差を一定の範囲内に抑えるよう求める動きが強まっています。つまり、手数料を価格に乗せきれなくなっているのです。乗せれば「割高だ」と敬遠され、乗せなければ赤字になる。この板挟みが、代行に依存する収益を苦しくしています。

顧客とブランドが、自館に残らない

代行サービスを通じた注文では、お客さまの情報はプラットフォーム側に蓄積され、自館の資産にはなりません。リピートもアプリの中で完結してしまい、宿のファンづくりにはつながりにくいのです。また、宿の名前で安価な料理を大量に売ることは、長年かけて築いてきたブランドや格と、必ずしも釣り合いません。

寡占化で、交渉の余地はむしろ狭まった

2026年には海外大手の一社が日本市場から撤退し、サービスの寡占が進みました。競合が減ったことで、加盟店から見た手数料の交渉余地は、かえって狭まっています。価格のルールや手数料の水準は、プラットフォーム側の方針に左右され、こちらでは動かせません。収益の主導権を、相手に握られる形になるのです。

そもそも、旅館・ホテルが狙うべき法事・慶弔・法人といった需要は、予約に基づく高単価の注文であり、その場ですぐ届けてほしいという即時配達のプラットフォームとは、もともと相性が良くありません。これらの需要は、自館が直接受ける方が理にかなっています。なお、デリバリー代行に加入すべきかどうかという論点そのものは、別の記事で改めて詳しく検討します。

→ 代行に頼らないとすれば、どう始めるか。自社チャネルでの具体的な進め方を次章で示します。

進捗:第5章/全7章 ■■■■■■■□□□ 71%

ここまで読了:約10分 / 残り約4分

第6章
自社のチャネルで始める
自社チャネルで告知・配達する
手数料ゼロで顧客が自館に蓄積する
要点

自社チャネルなら手数料はかからず、顧客との関係も自館に蓄積されます。鍵は、配達専用ページでの告知、用途別メニューの整備、そして衛生・許可の確認。設備投資には補助金の活用も検討できます。

代行に頼らないとすれば、告知も配達も自社の体制でつくることになります。手間はかかりますが、自社チャネルであれば手数料はかからず、お客さまとの関係も自館に蓄積されていきます。ここでは、その具体的な進め方を整理します。

告知のしかた

配達料理を知ってもらうための手段は、いくつもあります。自館のサイト内に、メニューと配達条件をまとめた配達専用のランディングページ(一枚完結の案内ページ)を設けるのが基本です。そのうえで、「地名+法事+配達」といったキーワードでのリスティング広告(検索連動型広告)、過去の予約台帳を活用した顧客へのSMS(ショートメッセージ)の一括送信、近隣エリアへのチラシのポスティングが効果的です。すでに自館を利用したことのある顧客は、最も反応が見込める層です。

メニューと運用の設計

法事・慶弔・お祝いといった用途別に、定番の献立を整えておくと注文がスムーズになります。料理の内容は、後から変更が利くよう、お品書きをあらかじめ柔軟に組んでおくと、仕入れの状況や原価率の実績に応じて随時調整できます。あわせて、配達範囲・最低注文金額・注文の締め時間といった配達条件を明確にし、容器のコストも織り込んで値付けをします。なお、調理・提供形態によっては必要な営業許可の範囲が変わる場合がありますので、保健所に確認のうえ、衛生管理の体制を整えてから始めてください。

設備投資には補助金の活用も

外販を本格化するために厨房設備やショーケース、受発注の仕組みなどへ投資する場合は、補助金の活用を検討できます。ただし、単なる設備の更新ではなく、配達やケータリング、食品の物販といった新たな販路拡大の目的が明確であることが求められます。投資の前に、その設備がどの収益にどう効くのかを整理しておくと良いでしょう。

→ 最後に、仕出し・代行・ゴーストキッチンという三つの選択肢を、全体のなかに位置づけます。

進捗:第6章/全7章 ■■■■■■■■■□ 86%

ここまで読了:約12分 / 残り約2分

第7章
仕出し・デリバリー代行・ゴーストキッチンの位置づけ
三つの選択肢を位置づける
自社仕出しを本命に、補完と条件付きを使い分ける
要点

料飲の遊休資源を収益化する三つの道。本命は自社の仕出し・宅配、補完が条件を絞ったデリバリー代行、条件の合う施設だけの選択肢がゴーストキッチン、という順序が堅実です。

料飲の遊休資源を収益化する選択肢には、自社による仕出し・宅配のほかに、デリバリー代行サービスへの加入や、ゴーストキッチン(客席を持たず宅配・弁当に特化した営業形態)があります。三つの違いを大まかに整理すると、次のようになります。

自社による仕出し・宅配は、既存の資源とブランドを最も活かしやすく、手数料の負担もないため、旅館・ホテルにとって最も親和性の高い選択肢です。デリバリー代行は、手軽に始められる反面、手数料が利益を圧迫し、主導権を握りにくい面があります。ゴーストキッチンは、都市部で厨房のすき間時間を活かす形であれば可能性がありますが、近年は過当競争による淘汰も進んでおり、慎重な見極めが必要です。

進捗:第7章/全7章 ■■■■■■■■■■ 100%

ここまで読了:約13分 / 残り約0分

よくあるご質問

Q仕出しの原価率は高いと聞きますが、儲かるのですか。

A原価率だけを見ると薄利に見えますが、収益は限界利益で考えます。厨房や人件費は宿泊事業ですでに負担しているため、すき間時間に作るなら追加で増えるのは食材費・容器代・配達コストだけです。固定費が増えなければ、売上の多くが利益として残りやすくなります。

QUber Eatsなどのデリバリー代行に加入すべきでしょうか。

A依存はおすすめしません。手数料が売上の35%前後かかり、容器代込み35%前後の原価に二重で重なって利益がほとんど残りません。顧客情報も自館に残らないため、自社のチャネルで売る方が収益も関係も自館に蓄積されます。

Qどんな施設が仕出し・宅配に向いていますか。

A法事や日帰り宴会の実績があり、配達できる商圏があり、昼や閑散期に厨房の余力があり、地域でのブランドを持つ施設が向いています。逆に厨房が宿泊で常時逼迫している施設や、配達の体制を組めない施設は慎重に判断すべきです。

Q軽減税率は仕出し・宅配に有利に働きますか。

A持ち帰り・出前・宅配は現時点で軽減税率(8%)の対象で、店内飲食(10%)より割安に感じられる点は追い風です。食料品の消費税率引き下げの議論も進んでおり、税率差が広がれば、持ち帰り・宅配がいっそう選ばれやすくなる可能性があります。

Q何から始めればよいですか。

Aまず過去の法事・宴会の利用実績を洗い出し、厨房の余力を確認します。そのうえで自館サイトに配達専用ページを設け、既存の顧客に告知することから始めるのが堅実です。提供形態によって営業許可の範囲が変わるため、保健所への確認も忘れずに行ってください。

用語の整理

この記事で出てきた主な用語

限界利益

売上から、その売上のために追加でかかった費用だけを引いた利益。固定費が増えない取り組みの採算を測るときの考え方です。

固定費

売上の増減にかかわらず一定してかかる費用。厨房の家賃や調理人の基本人件費などで、宿泊事業と共有できれば仕出しでは追加されません。

デリバリー代行

Uber Eatsや出前館など、出前を代行するプラットフォーム。販売手数料は売上の35%前後が標準です。

軽減税率

飲食料品などに適用される8%の消費税率。持ち帰り・出前・宅配が対象で、店内飲食(10%)と区別されます。

ランディングページ

商品やサービスの案内を一枚で完結させる専用ページ。配達メニューと注文条件をまとめる告知の基本になります。

リスティング広告

検索結果に連動して表示される広告。「地名+法事+配達」など、需要に直結するキーワードで出稿します。

さいごに

仕出し・宅配について、なぜ今注目されるのかという背景から、旅館・ホテルが向いている理由、原価率より限界利益で見る収益構造、向く施設・向かない施設の条件、そして代行に頼らず自社で育てる進め方まで、整理してきました。いかがだったでしょうか。

仕出し・宅配は、厨房・調理人・地域の信用という旅館・ホテルが持つ資源を、宿泊以外の収益に変える現実的な手段です。原価率だけを見れば利益が薄く見えますが、固定費を本業と共有できる施設にとっては、限界利益の出やすい事業になりえます。大切なのは、本業を損なわない範囲で、自館の条件に合うかどうかを見極め、代行に頼らず自社のチャネルで育てていくことです。

読了後の3ステップ ― 今日からできること

1. 過去の需要を洗い出す

これまでの法事・日帰り宴会の利用実績や問い合わせを振り返り、配達料理の潜在需要を確かめましょう。

2. 厨房の余力を確認する

昼や閑散期に、本業を損なわず外販に回せる厨房・人員の余力がどれだけあるかを見極めましょう。

3. 自社サイトに配達ページを作る

用途別メニューと配達条件をまとめた専用ページを設け、まず既存の顧客に告知することから始めましょう。

「自館で取り組む価値があるか、まず見極めたい」――その一歩から、ご一緒できます。

青木康弘

弊社アルファコンサルティングでは、料飲部門を活かした新たな収益源づくりについて、需要の見極めから収益構造の試算、始め方の設計までをご支援しています。観光経済新聞でのコラム連載を通じて積み重ねてきた知見をもとに、貴館にとって取り組む価値があるかどうかを、数字とともに一緒に見極めるお手伝いをします。

株式会社アルファコンサルティング 代表 青木康弘
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遊休資源を、新たな収益に変えませんか

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  • 需要の見極めと収益構造の試算
  • 限界利益にもとづく採算の検討
  • 自社チャネルでの始め方の設計
  • 設備投資に向けた補助金活用の検討

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