ホテル旅館が人手不足倒産にならないための解決策

地方のホテル旅館にも訪日旅行ブームの影響によって景気回復の兆しが見えていますが、人材不足は深刻な状況となっています。求人を出しても応募がほとんどない、新しいスタッフを採用してもすぐに辞めてしまう、売上げは上がったが人件費がかかりすぎて赤字になってしまった等の相談を様々な地域のホテルや旅館から受けるようになりました。

館によっては、人材不足を原因として休館したり、廃業を検討したりという状況まで追い込まれている状況です。この状況を打開するための対策を紹介していきたいと思います。

 

給与以外の待遇改善を行い、求人広告でアピールする

若いスタッフを獲得するのであれば、給与(月給・時給)以外の待遇を改善して、求人広告でアピールすると集まりやすくなります。

例えば、

「完全週休2日制、各種手当充実、賞与年2回、リフレッシュ休暇あり」

というタイトルで求人を出したところ多数の応募がありました。

昔は、仕事を覚えてもいないのに休みのことを言うべきではないという風潮でしたが、今は応募者がもっとも気にする条件のひとつになっています。高校生の採用面接時に、「御社は週休2日制ですか?」と聞かれて戸惑った採用担当者もいます。

人繰りや人件費が厳しければ、

「リフレッシュ休暇(有給休暇優先取得制度)」

の導入を先行しても良いでしょう。月ごとの繁閑の差が大きい館であれば導入しやすいと言えます。週休2日(年間休日108日)は最低限クリアしたいところです。大手の工場が進出している地域であれば、それ以上を目標にした方が良いでしょう。製造業の年間休日数は長く設定しているところが多いため、待遇面で不利になるからです。

求人広告の話になると、給与や時給をいくらにするかという事ばかりに意識が行きがちですが、仕事を探している若いスタッフは給与が高かければ良いという単純な考え方ではありません。私生活が犠牲にならないような労働時間・勤務時間帯か、プライベートを充実させるための休暇が取りやすいか、仕事を通じてスキルアップやキャリア形成ができるか、職場で良い人間関係が築けるか、世の中の役に立つ仕事かどうかというように、多面的に判断して仕事を決めています。昔の考え方を一方的に押し付けないよう留意しましょう。

 

各種研修制度を充実させる

若者が就職先を選択する際に、重視するポイントとして常に上位に位置づけられるのが、教育研修制度が充実しているかどうかです。向上心の強い優秀な若者に応募してもらうために、ぜひ制度の充実に取り組みましょう。

ホテル旅館の研修制度づくりで気をつけたいのが、接客研修に偏り過ぎないことです。おもてなしやマナーは日常業務を行うにあたって必須のスキルであるが、それだけでホテル旅館の幹部スタッフを育てることはできません。社会人として成長するための基盤となる研修科目を設置することが望ましいと言えます。

現場の改善活動やアクションプランを円滑に実行して行くのであれば、ロジカルシンキング(問題発見・解決能力)を身につけるための研修をお勧めします。業務効率や顧客満足度、売上利益を低下させている原因を見抜き、最適な解決策を考えるスキルがないと、経営者が経営方針や事業計画を熱心に説明したところで、スタッフはどう行動したら良いか分からないからです。

製造業であれば、PDCAサイクルやQCサークル(小集団による改善活動)を活用した教育研修は数多くの職場で実施されています。改善活動で使用されるQC7つ道具という分析手法は、まさに問題発見・解決のためのスキルです。

研修プログラムはインターネットで検索すれば、容易に見つけることができます。ロジカルシンキングの初歩的なテキストを購入して、社内講師による独自のプログラムを作っても良いでしょう。接客以外の教育研修制度が充実しているサービス業の会社は少数なので、皆さんのホテル旅館で積極的に取り組めば、求職者にとって魅力的な企業であることをアピールできるでしょう。

 

多様な働き方に対応する

昔は正社員として採用されることが一人前という時代がありましたが、最近ではライフスタイルに合わせて働き方を選ぶ時代にあります。また、管理職になりたがらないスタッフも増えました。

これまでの中抜け勤務やシフト勤務にこだわらず、週4日勤務や時短勤務の正社員や早朝勤務だけのパート社員など、柔軟な働き方に対応できるよう就業規則を見直してみましょう。

例えば、筆者の経験では、

「高時給、期間3ヶ月、週払い、高校生OK」

という求人を出したところ多数の応募がありました。特に、料飲サービスや清掃部門、調理補助として働くスタッフの中には週払いにしてほしいというニーズが高いと言えます。総務部門の計算の手間はかかりますが取り組んでみましょう。

もし、紙で打刻するタイプのタイムカードを使っているならば、電子式に切り替えた方が効率的でしょう。最近ではクラウド型のタイムカードシステム(例えば、スマレジタイムカード)のような導入費用の安価なサービスが出てきているので、会社で使用している給与計算ソフトと連動していれば効率化にも繋がります。

 

自社サイトに求人ページを設置する

自社サイトに高額の制作費用を使っているならば、求人ページも充実させた方が良いでしょう。

募集要項だけでなく、社長メッセージやスタッフの一日、先輩社員紹介、選考の流れ

など、旅館・ホテルの仕事への関心やイメージを高めるコンテンツを充実させましょう。

退職者の写真を差し替えることを煩わしく思って、人物写真を使用しない館がありますが本末転倒と言えます。実際に働いているスタッフの写真や意見を開示することで求職者の応募件数が増加し、採用後のミスマッチによる離職も防ぐことができます。

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