目次
  1. 小規模事業者持続化補助金とは
  2. ホテル・旅館での使いどころ
  3. ほかの補助金との使い分け
  4. 商工会議所と一緒に、経営計画を作る
  5. 採択と実行の勘どころ
  6. 額が小さいからこそ、効く一手に絞る

こんにちは。ホテル旅館コンサルタントの青木康弘です。

補助金というと、何百万、何千万という大きな話を思い浮かべるかもしれません。ですが、もっと身近に、小さく使える制度もあります。それが小規模事業者持続化補助金です。

お客様を増やすための取り組み、いわゆる販路開拓を後押しする制度で、商工会議所の力を借りながら進めるのが特徴です。額は控えめですが、初めて補助金に取り組む施設の一歩目に向いています。今回は、何に使えるのか、ほかの補助金とどう違うのか、そして小さい額をどう生かすかまで、お話しします。

この記事を読むとわかること
  • 1小規模事業者持続化補助金とは
  • 2ホテル・旅館での使いどころ
  • 3ほかの補助金との使い分け
  • 4商工会議所と一緒に、経営計画を作る
  • 5採択と実行の勘どころ
  • 6額が小さいからこそ、効く一手に絞る

小規模事業者持続化補助金とは

この章の要点
  • 販路開拓と業務効率化に使え、商工会議所・商工会が窓口。宿泊業は従業員おおむね20人以下が対象
  • 上限は基本50万円ほど、特例で最大250万円ほど、補助率2/3。申請がやさしく入門向き
費用を計算する様子
販路開拓と、それにあわせた業務効率化を後押しする制度。

小規模事業者持続化補助金は、小規模な事業者が、お客様を増やすための販路開拓や、それにあわせた業務の効率化に取り組む費用を補助する制度です。中小企業庁が所管し、各地の商工会議所や商工会が窓口になっています。宿泊業の場合、従業員がおおむね20人以下の施設が対象です。

補助の上限は、基本で50万円ほど。賃上げやインボイスへの対応といった特例を使うと、最大250万円ほどまで引き上げられます。補助率は3分の2です。広報や販促、ウェブサイト、小さな設備、展示会への出展などが対象になります。ほかの補助金にくらべて申請がやさしく、補助金に初めて取り組む施設の入門としても使いやすい制度です。

ホテル・旅館での使いどころ

この章の要点
  • パンフ・看板、HP・予約サイト、小さな改装・設備、商談会出展など販路開拓につながる取り組み
  • 大きな改装や高価な設備には足りないが、小さく試したい施策には十分
経営の打ち合わせ
手をつけられていなかった販促を、一度きちんと試す使い方が向く。

宿泊業での使いどころを挙げます。パンフレットやチラシの制作、看板。ホームページや予約サイトの整備。客室やロビーの小さな改装、小ぶりな設備。地域の商談会や旅行博への出展。どれも、お客様を増やすことにつながる取り組みです。

大きな改装や高価な設備には額が足りませんが、小さく試したい施策には十分です。これまで手をつけられていなかった販促を、補助金を使って一度きちんとやってみる、といった使い方が向いています。

ほかの補助金との使い分け

この章の要点
  • 省力化やシステム導入は省力化投資・デジタル化AIのほうが額も大きく向く
  • 持続化は小さく販路開拓中心の取り組みに使いやすく、初めての一歩向き

これまでにお話しした省力化投資補助金デジタル化・AI導入補助金とは、ねらいも規模も違います。省力化やシステムの導入なら、それぞれの制度のほうが額も大きく、向いています。持続化補助金が得意なのは、もっと小さく、販路開拓を中心とした取り組みです。初めての一歩や小さな試みには、この制度がいちばん使いやすいでしょう。

図1:持続化補助金の位置づけ
観点小規模事業者持続化補助金大型の補助金
補助上限数十万〜数百万円数千万円規模
補助率3分の2が中心2分の1が中心
向くケース小さく試す・販路開拓大きな設備投資・新事業

商工会議所と一緒に、経営計画を作る

この章の要点
  • 商工会議所・商工会の支援を受けながら、自分で経営計画を作るのが特徴
  • 自館の強み・弱みを言葉にする作業そのものが、採択される計画書の芯になる

この補助金の大きな特徴は、商工会議所や商工会の支援を受けながら、自分で経営計画を作る点です。窓口の担当者が、計画書の作り方を手伝ってくれます。

手間に感じるかもしれませんが、これはよい機会です。自館の強みや弱み、誰にどう来てもらうかを、あらためて言葉にする。人任せにせず、自分の頭で自館を見直す。この作業そのものが、実は採択される計画書の芯になります。補助金から考えるのではなく、やりたいことから考える。この点は、別の記事でくわしくお話ししています。

採択と実行の勘どころ

この章の要点
  • ウェブサイト関連の費用は、補助を受ける額の1/4までとされる場合が多い
  • 後払い・効果報告など、ほかの制度と共通の勘どころがある

この制度で一つ気をつけたいのが、ウェブサイトにかける費用の上限です。補助を受ける額の4分の1まで、とされている場合が多くあります。ホームページや予約サイトに力を入れたくても、そればかりには使えません。補助金が後押ししたいのは、ホームページを作ること自体ではなく、それを通じてお客様を増やすことだからだと考えるとよいでしょう。

ほかにも、入金は後払いであること、計画した取り組みの効果を後で報告することなど、共通する勘どころがあります。これらは別の記事でくわしくお伝えしています。

額が小さいからこそ、効く一手に絞る

この章の要点
  • 額が小さいぶん、自館にいちばん効く一手に絞ることになる
  • 小さく確実に成果を出すと、次に大きな補助金へ進むときにも生きる

補助の額が小さいことは、弱みのようでいて、実は強みにもなります。50万円では、あれもこれもはできません。だからこそ、自館にいちばん効く一手に絞ることになります。

ご相談を受けてきた中での私の所感ですが、販路開拓でいちばん効くのは、派手な新しいことよりも、すでにあるお客様とのつながりを太くすることです。一度泊まってくださった方へ、ていねいに案内を届ける。それだけで、費用をかけた広告よりも高い反応が返ってくることが少なくありません。小さな予算は、そういう確実なところに使うと生きてきます。

そして、ここで小さく成果を出しておくと、次に大きな補助金へ進むときにも生きてきます。まず一度、確実に効く施策で実績を作る。その積み重ねが、あとあと効いてきます。私どもは、その施策が本当に売上につながるのかを、中立にご相談に乗れます。

さいごに

いかがだったでしょうか。小規模事業者持続化補助金は、額は控えめですが、初めての一歩や小さな試みにちょうどよい制度です。大事なのは、補助金が出るからと手を広げるのではなく、自館にいちばん効く一手に絞ること。小さく確実に成果を出すことが、次につながります。

弊社アルファコンサルティングでは、特定の業者と利害関係を持たない立場から、どの施策が自館の集客に効くのかの見極めから、計画づくり、採択された後の取り組みまで、推進役としてお手伝いしています。商工会議所とはまた違う角度から、その施策が売上につながるかを一緒に考えるのが、弊社の持ち味です。

販路開拓や補助金の活用について、初回のご相談は無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

補助金シリーズ 記事一覧(全17回)
探し方から制度別の解説、申請の手続き、テーマ別の判断までをまとめています。
入門・全体像
制度別の解説
申請の手続き・実行
テーマ別の判断

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