目次
  1. 「採択された、さあ発注」が危ない
  2. 期間内に、支払いまで終える
  3. 完了したら、30日以内に報告
  4. 補助金は、後払い ― 立替資金を忘れない
  5. だから、最初に時間とお金の計画を引く

こんにちは。ホテル旅館コンサルタントの青木康弘です。

補助金に採択された。よし、さっそく工事を発注しよう。実は、これが命取りになることがあります。

補助金には、守るべき時間の決まりが、いくつもあります。動き出すタイミングを誤ると、せっかくの補助金が、まるごと対象外になることもあります。今回は、補助金の実施期間と、お金の出入りについて、つまずきやすいところをお話しします。

この記事を読むとわかること
  • 1「採択された、さあ発注」が危ない
  • 2期間内に、支払いまで終える
  • 3完了したら、30日以内に報告
  • 4補助金は、後払い ― 立替資金を忘れない
  • 5だから、最初に時間とお金の計画を引く

「採択された、さあ発注」が危ない

この章の要点
  • 採択と交付決定は別物。原則、交付決定日より後に発注・契約・着手したものだけが対象
  • 決定の前に発注すると対象外となり、後から救う手立てはほとんどない
カレンダーと支払い
採択の通知が来ても、交付決定が出るまでは発注しない。

いちばん多い、そして取り返しのつかない失敗からお話しします。採択の知らせが届くと、うれしくて、すぐにでも工事や設備の発注をしたくなります。ですが、ここで動くと、補助金が受けられなくなることがあります。

交付決定の前は、動かない

補助金は、採択されただけでは、まだ始められません。採択のあとに「交付決定」という手続きがあり、原則として、この交付決定の日より後に発注・契約・着手したものだけが、補助の対象になります。決定の前に発注してしまうと、その分は対象外となり、あとから救う手立ては、ほとんどありません。採択の通知が来ても、交付決定が出るまでは、ぐっと待つことです。

「採択」と「交付決定」は、別のものです。採択は候補に選ばれた段階、交付決定は正式に補助が決まった段階。この間に発注してしまう事故が、実によく起きます。気持ちははやりますが、決定の通知を確かめてから動いてください。

期間内に、支払いまで終える

この章の要点
  • 実施期間内に、発注・納品・検収・支払いをすべて終える
  • 支払い(カードの引き落とし含む)が期間を過ぎると対象外になりかねない
費用とコインのイメージ
発注・納品だけでなく、支払いまで期間内に収める。

無事に交付決定が出ると、補助事業の実施期間が始まります。この期間のうちに、発注し、納品を受け、確認し、支払いまでを、すべて終えなければなりません。

見落としがちなのが、支払いのタイミングです。発注や納品が期間内でも、支払いが期間を過ぎると、対象外になりかねません。クレジットカードで払う場合も、口座からの引き落とし日が、期間内に収まっている必要があります。年度末は工事や設備の依頼が立て込み、職人や納品の手配が遅れがちです。期間のぎりぎりに詰め込むと、間に合わないことがあります。早めに動くことです。

図1:補助金のスケジュールと後払い
交付決定
ここまで発注禁止
発注・納品
期間内に検収まで
支払い
期間内に完了
実績報告
完了から30日以内
検査・入金
後払いで受領
入金まで全額を立て替えます。立替資金とつなぎ融資の準備を。

完了したら、30日以内に報告

この章の要点
  • 多くの制度で、完了日から30日以内などの期限までに実績報告書を提出する
  • 期限は厳格で、遅れると交付決定そのものが取り消されることもある

事業が終わったら、実績報告書を提出します。これにも、締め切りがあります。多くの制度で、事業の完了日から30日以内、あるいは定められた期限のいずれか早い日まで、とされています。

この締め切りは、思いのほか厳格です。遅れると、交付の決定そのものが取り消されることもあります。近ごろは、この期限の扱いが、いっそう厳しくなっている制度もあります。報告に必要な書類は、時間が経つと集めにくくなるものもありますから、事業を進めながら、その都度そろえておくことです。

補助金は、後払い ― 立替資金を忘れない

この章の要点
  • 入金は事業完了・検査・額確定の後。代金はいったん全額を立て替える
  • 補助率が2分の1でも全額の用意が必要。つなぎ資金の計画が欠かせない

もう一つ、お金の面で、とても大事なことがあります。補助金は、後払いです。

入金は、ずっと先

補助金は、事業が終わり、実績報告と検査を経て、額が確定してから支払われます。つまり、工事や設備の代金は、いったん全額を自分で立て替えることになります。入金までは、持続化補助金のような制度でも採択から9〜10か月、事業の期間が長い大型の補助金では、交付決定から1年以上かかることも珍しくありません。

補助率が2分の1だとしても、まずは全額を用意しておく必要があります。数千万円の投資なら、その立替も、相当な額です。ここを見落とすと、補助金が出る前に、資金繰りが行き詰まりかねません。入金までのつなぎをどうするか、つなぎの融資を使うかどうかも含めて、最初にお金の計画を立てておくことが欠かせません。

だから、最初に時間とお金の計画を引く

この章の要点
  • 発注・支払・報告・後払いの決まりを、事業の前に逆算して計画に引く
  • 立替資金の見通しと相談先の選定は、早いうちに整えておく

ここまで見てきたように、補助金には、発注のタイミング、支払いの期限、報告の締め切り、そして後払いという、いくつもの時間とお金の決まりがあります。これらを、事業を始めてから知るのでは、遅すぎます。

大切なのは、いちばん最初に、逆算して計画を引いておくことです。いつ交付決定が出て、いつまでに発注し、いつ支払い、いつ報告するか。その間、いくらを、いつまで立て替えるか。この時間とお金の道筋を、事業の前に描いておけば、あわてずに進められます。

私どもは、特定の業者と利害関係を持たない立場で、こうしたスケジュールと資金の計画づくりから、採択後の実務まで、推進役としてお手伝いします。とくに、立替資金の見通しや、相談先の選定は、早いうちに整えておくことをお勧めします。

さいごに

いかがだったでしょうか。補助金は、採択がゴールではなく、決められた時間とお金の流れのなかで進めていくものです。交付決定の前に動かない。期間内に支払いまで終える。完了したら速やかに報告する。そして、後払いの立替に備える。この四つを押さえておけば、大きなつまずきは避けられます。

弊社アルファコンサルティングでは、補助金の申請から、スケジュールと資金の計画、採択後の実務まで、推進役としてお手伝いしています。最初に道筋を引いておくことで、安心して事業に集中していただけます。

補助金の活用について、初回のご相談は無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

補助金シリーズ 記事一覧(全17回)
探し方から制度別の解説、申請の手続き、テーマ別の判断までをまとめています。
入門・全体像
制度別の解説
申請の手続き・実行
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