こんにちは。ホテル旅館コンサルタントの青木康弘です。
客室が古くなってきた。きれいに改装したい。その費用に補助金が使えたら。そう考える方は多いと思います。ですが、「客室をきれいにする」というだけでは、補助金が出るかどうかは決まりません。
対象になるかどうかを左右するのは、その補助金が、何を目的にしているか、です。今回は、客室改装と補助金の関係を、この「目的」という切り口からお話しします。
- 1補助金には、それぞれ「目的」がある
- 2目的によって、対象になる改装は変わる
- 3同じ「内装をきれいに」でも、扱いが変わる
- 4補助金が出ても、回収できるとは限らない
- 5目的を見極めて、申請する
補助金には、それぞれ「目的」がある
- 補助金は制度ごとに目的があり、目的に合うかどうかで対象が決まる
- 同じ客室改装でも、補助金によって対象になったり対象外になったりする

補助金には、制度ごとに、はっきりとした目的があります。収益力を高めるため、バリアフリーのため、省エネのため、というように。そして、その目的に合った改装であれば対象になり、合わなければ対象になりません。
ですから、「この改装は補助金の対象になりますか」という問いには、それだけでは答えられません。「どの補助金の、どの目的に照らすか」が決まって、はじめて答えが出ます。同じ客室の改装でも、ある補助金では対象になり、別の補助金では対象外、ということが、ふつうに起こります。
目的によって、対象になる改装は変わる
- 高付加価値化・バリアフリー・インバウンド・省エネで、対象になる改装は変わる
- 補助金の目的が、何を対象とするかを規定している

では、目的が違うと、対象がどう変わるのか。代表的なものを見てみましょう。
収益力を高める(高付加価値化)
高単価の部屋にして、稼ぐ力を上げるための改装です。客室内の家具や什器、設備、いわゆるFF&Eが対象になりますが、取り外しのできない、建物と一体になったものに限られることが多いです。客室の貸切露天風呂や、個室の食事処などが、その例です。
使いやすくする(バリアフリー)
高齢の方や、体の不自由な方が使いやすいようにする改装です。段差の解消、手すりの設置、多機能トイレなどが対象になります。内装をきれいにすること自体が、排除されるわけではありませんが、あくまで目的は、バリアフリーであることです。
訪日のお客様に対応する(インバウンド)
外国からのお客様に対応するための改装です。多言語の案内、洋式の設備、通信の環境など、訪日のお客様が快適に過ごせるようにするものが対象になります。
エネルギーを抑える(省エネ)
エネルギーの使用を抑えるための改装です。空調や、給排水・電気の設備、断熱性の高い窓やサッシ、金属の建具などが対象になります。
同じ「内装をきれいに」でも、扱いが変わる
- どの目的の補助金に沿うかで、同じ内装改修でも扱いが変わる
- 目的を取り違えると対象外、押さえれば無理なく認められる
ここが、いちばん間違えやすいところです。同じ「内装をきれいにする」改装でも、どの目的の補助金に沿うかで、扱いが変わります。高付加価値化の補助金なら、収益力が上がる改修として、取り外せない内装が中心に対象になります。バリアフリーの補助金なら、内装をきれいにすること自体は妨げられませんが、主役は段差の解消や手すりです。省エネの補助金なら、見た目よりも、断熱や設備の効率が問われます。
自分のやりたい改装を、どの補助金の、どの目的に当てはめられるか。ここを取り違えると、対象になるはずの改装が、対象外と判断されてしまいます。逆に、目的をきちんと押さえれば、無理なく対象として認められます。
補助金が出ても、回収できるとは限らない
- 大事なのは、単価と稼働率を掛け合わせた客室一室あたりの売上
- 回収年数を見極めないまま、補助が出るからと改装に踏み切るのは危うい
目的に合って、対象になる。それでも、迷わずやるべきかは、別の話です。ここで、投資としての判断が要ります。
客室をよくすれば、一泊あたりの単価は上げられるかもしれません。ですが、単価を上げて、客室の稼働率が落ちてしまえば、かえって売上は減ります。大事なのは、単価と稼働率を掛け合わせた、客室一室あたりの売上です。改装にかけたお金を、その増えた売上で、何年かけて回収できるか。ここを見極めないまま、補助が出るからと改装に踏み切るのは、危うい判断です。
ご相談を受けてきた中での私の所感ですが、補助金が出るからと立派に改装したものの、その立派さに見合うだけ単価を上げられず、回収に苦しむ例を見てきました。改装は、見た目の豪華さではなく、稼ぐ力で考えることです。
目的を見極めて、申請する
- 必要な改装→どの目的に合うか→計画→申請、の順で進める
- 順番を踏めば、「出ると思ったのに対象外」という失敗を避けられる
大切なのは、順番です。まず、自館に必要な改装は何かを決める。次に、その改装が、どの補助金の、どの目的に合うかを見極める。そのうえで、目的に沿う形で計画を組み、応募や交付の申請を行う。この順番を踏めば、補助金が出ると思っていたのに対象外だった、という失敗を避けられます。
私どもは、特定の業者と利害関係を持たない立場で、自館に必要な改装の見極めから、それがどの補助金のどの目的に合うかの判断、目的に沿った計画づくりまでをお手伝いします。補助金の種類は多く、目的もさまざまです。自館の改装に、どの制度がいちばん合うのか。そこからご相談に乗れます。
さいごに
いかがだったでしょうか。客室改装が補助金の対象になるかどうかは、その補助金の目的で決まります。高付加価値化、バリアフリー、インバウンド対応、省エネ。目的が違えば、対象になる改装も変わります。やりたい改装が、どの目的に合うのかを見極めることが、何より大切です。
弊社アルファコンサルティングでは、客室改装をはじめとする投資の判断、その収益への効果の見極め、補助金の選定と活用、計画づくりまでお手伝いしています。
改装や補助金のご相談は、初回無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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