目次
  1. ホテル・旅館の「悩み別」に、合う補助金を探す
  2. 申請の前に、確かめたい5つのこと
  3. こんなときは、いったん立ち止まる
  4. 迷ったら、整理から始める

こんにちは。ホテル旅館コンサルタントの青木康弘です。

ホテル・旅館の経営には、この業種ならではの悩みがあります。人手が足りない、OTA(ネット予約サイト)への依存と手数料、古くなった設備、なかなか上がらない客単価。今回は、そうした悩み別に、自館に合う補助金を見つける自己診断をご用意しました。これまでお話ししてきた内容の、総まとめでもあります。ご自身の宿に当てはめながら、読んでみてください。

この記事を読むとわかること
  • 1ホテル・旅館の「悩み別」に、合う補助金を探す
  • 2申請の前に、確かめたい5つのこと
  • 3こんなときは、いったん立ち止まる
  • 4迷ったら、整理から始める

ホテル・旅館の「悩み別」に、合う補助金を探す

この章の要点
  • 悩みの種類ごとに、向く補助金は異なる
  • やりたいことが固まっていなくても、自館の悩みの整理から始めればよい

補助金は、目的に合ったものを選ぶのが基本です。日ごろ抱えている悩みから、向く補助金を見ていきましょう。

・人手が足りず、現場が回らない(清掃、配膳、フロント) → 省力化の補助金。機械や仕組みで、人手を補う取り組みに使えます。

・OTAへの依存と手数料が重い。直販や予約管理を強めたい → デジタル化・AI導入の補助金。予約や顧客管理のシステムなどに使えます。

・客室や浴場、水回りが古い。客単価を上げたい。インバウンドや省エネに対応したい → 改装の目的に合う補助金(高付加価値化・バリアフリー・インバウンド・省エネ)。目的によって、対象になる改装が変わります。

・新しい収益の柱がほしい(サウナ、体験、グランピングなど) → 新事業進出の補助金。新しい分野への展開に使えます。

・まずは小さく、新メニューや販路を試したい → 持続化の補助金。小規模な取り組みを後押しします。

・借入が重く、返済が苦しい → まず 経営改善計画。補助金は、その枠組みの中で、設備投資などに活かします。

やりたいことが、まだ固まっていないなら、それでもかまいません。自館にとっていちばんの悩みは何かを考えるところから、始めればよいのです。

図1:ホテル・旅館の悩み別 早見表
こんな悩み向く補助金
人手が足りない省力化投資補助金
OTA依存・直販を強めたいデジタル化・AI導入補助金
客室・水回りが古い/客単価改装の目的に合う補助金
新しい収益の柱がほしい新事業進出補助金
小さく試したい小規模事業者持続化補助金
借入が重い・返済が苦しいまず経営改善計画

申請の前に、確かめたい5つのこと

この章の要点
  • 目的への適合・発注の時期・立替の資金・採択枠・報告と検査の5点を申請前に点検する
  • 一つでも引っかかれば、いったん立ち止まって考える
ホテルに到着した家族連れ
向きそうな補助金が見えてきたら、申請の前に5つの観点で点検しておきたい。

向きそうな補助金が見えてきたら、次の5つを確かめてみてください。一つでも引っかかれば、立ち止まって考える価値があります。

 その投資や改装は、補助金の「目的」に合っているか。
 まだ、発注や契約をしていないか(交付決定の前に動くと、対象外になります)。
 自己負担の分と、入金までの立替の資金を、用意できるか。
 その補助金は、採択される枠(採択数)が、十分にあるか。
 完了の報告から、その後の検査まで、やり遂げられるか。

これらは、これまでの記事で、一つずつくわしくお話ししてきたことです。気になる項目があれば、それぞれの記事を読み返してみてください。

図2:申請の前に確かめたい5つのこと
補助金の目的と、自館の計画が一致しているか
交付決定の後に発注できるか(前倒しで発注していないか)
入金まで全額を立て替える資金があるか
採択後の報告・検査に対応できる体制があるか
補助金がなくても、その投資をすべきと言えるか

こんなときは、いったん立ち止まる

この章の要点
  • 赤字の穴埋め目的や、補助金ありきの過大な投資は見送る
  • 手間に見合わない少額や、採択枠が極端に少ない場合も、見送りが立派な判断
見送りも、立派な判断

次のような場合は、申請を急がず、いったん立ち止まることをおすすめします。資金繰りが苦しく、補助金で赤字を埋めるつもりでいる(補助金は、赤字の穴埋めや運転資金には出ません。まずは経営の立て直しが先です)。補助金が出るから、という理由で、必要以上に大きな改装を決めようとしている(順番が逆です)。手間のわりに、受け取れる額が小さい。採択される枠が、極端に少ない。これらに当てはまるなら、見送ることも、立派な判断です。

迷ったら、整理から始める

この章の要点
  • 悩みと状況を整理するだけで、進むべき道がはっきりすることが多い
  • 何に困り、何が必要かが定まれば、合う補助金はおのずと絞られる

ここまでチェックしてみて、迷う点があれば、それは自然なことです。補助金は種類も要件も多く、自館にいちばん合うものを見極めるのは、簡単ではありません。

数多くのホテル・旅館のご相談を受けてきた中での私の所感ですが、まず自館の悩みと状況を整理するだけで、進むべき道がはっきりすることは、とても多いです。何に困っていて、何が必要なのか。そこが定まれば、合う補助金は、おのずと絞られてきます。

私どもは、ホテル・旅館を専門に、特定の業者と利害関係を持たない立場で、自館の状況の整理から、合う補助金の見極め、投資や再生の判断、計画づくりまでをお手伝いします。何から手をつければよいか分からない、という段階からで構いません。

おわりに

いかがだったでしょうか。補助金は、自館の悩みに合うものを選び、申請の前に5つのことを確かめ、立ち止まるべきときは立ち止まる。この順序を押さえれば、大きな失敗は避けられます。そして何より、補助金は目的ではなく、自館の悩みを解いてよくするための、ひとつの道具です。

弊社アルファコンサルティングでは、自館の状況の整理から、補助金の選定、投資や再生の判断、計画づくりまで、中立の立場でお手伝いしています。まずは現状を一緒に整理するところから、始められます。

補助金のご相談は、初回無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

補助金シリーズ 記事一覧(全17回)
探し方から制度別の解説、申請の手続き、テーマ別の判断までをまとめています。
入門・全体像
制度別の解説
申請の手続き・実行
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