こんにちは。ホテル旅館コンサルタントの青木康弘です。
補助金というと、国が用意する大きな制度を思い浮かべる方が多いかもしれません。ですが、足元の都道府県や市町村にも、宿泊施設が使える補助金があります。額は国の制度より小さいことが多いものの、見落とすにはもったいない制度です。
ただし、申請する前に、必ず確かめておきたいことがあります。今回は、自治体の補助金の特徴と、最新の情報を取りにいくための具体的な方法、そして国の制度と重ねるときの注意点をお話しします。
- 1補助金は、国のものだけではない
- 2申請の前に、採択数を確かめる
- 3まずは、人の窓口から
- 4スマホとパソコンで、情報を取りにいく
- 5国の補助金と組み合わせる
- 6自治体の補助金も、目的を先に
補助金は、国のものだけではない
- 都道府県や市町村が、独自の補助金を用意していることがある
- 額は国より小さいが、地域の観光振興・地元事業者支援の選択肢になる

補助金の多くは、中小企業庁や観光庁、環境省といった国の制度です。それとは別に、都道府県や市町村が、独自の補助金を用意していることがあります。
たとえば、ある県では高価格帯の宿泊施設の新設を支援し、ある市ではインバウンド向けの設備導入を支援する、といった具合です。地域の観光振興や、地元の事業者を後押しするために設けられています。国の制度と並んで、もう一つの選択肢として知っておくとよいでしょう。
申請の前に、採択数を確かめる
- 予算総額が小さく採択件数が少ないため、地域限定でも競争が激しいことがある
- 予算総額÷1件あたり上限で採択見込みを概算し、少なすぎれば見送りも合理的
自治体の補助金で、まずお伝えしておきたいことがあります。「地域限定だから競争はゆるやかだろう」と思われがちですが、そうとは限りません。むしろ逆のことも少なくありません。
理由は、予算の規模にあります。自治体の補助金は、事業全体の予算総額が、国の制度に比べてとても小さいのが普通です。そのため、採択される件数も、ぐっと少なくなります。額が手ごろに見えても、枠が数件しかなければ、競争はかえって激しくなります。
申請を考えるなら、まず事業全体の予算の総額を確かめてください。その額を、1件あたりの補助上限で割れば、何件くらいが採択されそうか、おおよその見当がつきます。たとえば予算総額が3,000万円で、1件あたりの上限が300万円なら、採択はおよそ10件。過去の採択結果が公表されていれば、実際の件数もわかります。
もし、採択が10件に満たないなど、枠が極めて少ないようであれば、手間をかけて準備しても実らない可能性が高い。そのときは、申請を見送るのも、立派に合理的な判断です。準備にかける時間も、立派なコストです。受かる見込みの薄い枠に労力を注ぐより、見込みのある制度に絞るほうが賢明なこともあります。採択数を調べる癖をつけておくと、こうした判断がしやすくなります。
まずは、人の窓口から
- 自治体(観光・商工課)、商工会議所・商工会、地元金融機関が頼れる窓口
- 日ごろからつながっておくことが、見落としを防ぐ土台になる
もう一つの壁は、情報が見つけにくいことです。国の制度のように大きく告知されるわけではなく、自治体のサイトの奥に、ひっそりと載っていることも少なくありません。知らないうちに募集が終わっていた、ということも起こります。だからこそ、情報を取りにいく工夫が要ります。
情報源としてまず押さえたいのが、人の窓口です。一つめは、地元の自治体、とくに観光や商工を担当する課。二つめは、商工会議所や商工会で、会員であれば案内が届くこともあります。三つめは、地元の金融機関です。融資の相談のついでに、使えそうな制度を教えてくれることがあります。日ごろからつながっておくことが、見落としを防ぐ土台になります。
スマホとパソコンで、情報を取りにいく
- Googleアラート・メルマガ・補助金検索サイト(jGrants等)・公式SNSを設定する
- 情報が向こうから届く状態をつくり、募集の見落としを減らす

窓口に足を運ぶだけでなく、スマートフォンやパソコンの設定を整えておくと、最新の情報が自分のところに届くようになります。すぐに始められる方法を、いくつか挙げます。
一つめは、Googleアラートです。これは、決めておいた言葉に関する新しい情報がインターネット上に出ると、メールで知らせてくれる無料の仕組みです。たとえば「(自分の県名や市名) 補助金 宿泊」「(県名) 観光 補助金」といった言葉を登録しておけば、自治体が新しい制度を公表したときに、気づきやすくなります。設定は、Googleアラートのページで言葉を入れ、通知先のメールアドレスと届く頻度(その都度、または1日1回など)を選ぶだけです。
二つめは、メールマガジンの登録です。自治体や商工会議所、観光協会の多くが、補助金や支援策の案内をメールで配信しています。サイトで登録しておけば、募集の開始を見逃しにくくなります。
三つめは、補助金を検索できるサイトです。国が運営するjGrants(ジェイグランツ)やミラサポplusでは、地域や分野で補助金を絞り込めます。これらは国の制度が中心ですが、自治体の制度が載ることもあります。気になる制度は、スマートフォンやパソコンにブックマークしておくとよいでしょう。
四つめは、SNSです。自治体や観光協会、商工会議所の多くが、XやLINEの公式アカウントで情報を発信しています。フォローや友だち登録をしておけば、スマートフォンに直接、新着が届きます。
これらをいくつか組み合わせ、情報が向こうから届く状態をつくっておく。そうすれば、忙しい日々のなかでも、募集の見落としを減らせます。
国の補助金と組み合わせる
- 同一の経費に国と自治体の両方から補助を受ける二重取りはできない
- 対象経費が違えば重ねて使え、全体の自己負担を圧縮できる
自治体の補助金は、国の制度と組み合わせられることがあります。ここに、自己負担を減らす余地があります。
ただし、一つ大事な原則があります。同じ経費に、国と自治体の両方から補助を受けることはできません。二重取りはできない、ということです。いっぽうで、対象となる経費が違えば、重ねて使えることがあります。たとえば、設備の導入は国の補助金で、その操作研修は別の制度で、というように、経費を分けて組み合わせる。こうすると、全体の自己負担を圧縮できます。
どの制度とどの制度を重ねられるかは、それぞれの公募要領で確認が要ります。組み合わせを考えるなら、早い段階で見極めておくとよいでしょう。
自治体の補助金も、目的を先に
- 小さな補助金ほど、かかる手間と受け取れる額が釣り合うかを冷静に見る
- 必要な投資を先に決め、それを支える制度を国・自治体問わず使う
最後に、これまでの記事と同じことを、もう一度お伝えします。自治体の補助金も、あるからといって飛びつくものではありません。
ご相談を受けてきた中での私の所感ですが、額が小さいからと軽い気持ちで申請し、書類づくりや報告の手間に見合わなかった、という声も聞きます。小さな補助金ほど、かかる手間と受け取れる額が釣り合うかを、冷静に見ることです。
自館に必要な投資を先に決め、それを支えてくれる制度があれば、国であれ自治体であれ、使う。順番は、いつも同じです。私どもは特定の業者と利害関係を持たない立場ですので、国から自治体まで、自館に合う制度の組み合わせを、中立に一緒に見極められます。
さいごに
いかがだったでしょうか。自治体の補助金は、額こそ小さいものの、国の制度と組み合わせれば自己負担をさらに減らせます。鍵は、見つけにくい情報を、設定を整えて早くつかむこと。申請する前に採択数を見極めること。そして、目的を先に決めることです。
弊社アルファコンサルティングでは、国の補助金から自治体の制度まで、所管やテーマを横断して、自館にいちばん合う組み合わせを一緒に考え、計画づくりまで推進役としてお手伝いしています。どの制度をどう重ねれば、無理なく自己負担を抑えられるか。その設計からご相談に乗れます。
補助金の活用について、初回のご相談は無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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