ホテル旅館の最新の月給・時給トレンドをキャッチしよう

 ホテル旅館の最新の月給・時給トレンドをキャッチする方法

求人広告を出すときに、一番悩ましいのが月給や時給をいくらにするかということです。

求人を出しても出しても応募が少ないと悩まれているホテル旅館の求人広告を見ると、「月給・時給が安すぎる」というのが最も大きな原因であることが多いです。「求人広告出せば沢山の応募があった」、「女性週刊誌の巻末で求人広告を出したら全国から応募があった」というのは昔のこと。飲食店を始めとするサービス業では時給を大幅アップしても、なかなか応募がこないという人材枯渇時代に突入しています。

実際に、リクルート社が発表しているアルバイト・パートの募集時平均時給調査を見ると、毎月のように募集時給がアップしていますし、世の中の時給上昇トレンドを汲んで、つい先日も最低賃金がさらに上昇することが厚生労働省より発表されました(地域別最低賃金の全国一覧|厚生労働省)。

いざ月給・時給を上げるにしても悩みはつきません。求人広告に出す時給が高すぎると既存スタッフから不満が出ます。全員一斉にベースアップすれば問題解決にはなりますが、今度は人件費が業績を圧迫するでしょう。提示額を決めるには合理的な根拠が必要です。次にあげるような給与・時給情報を参考にして基準を明確にしておくと良いでしょう。

求人・求職賃金状況(ハローワーク)

各地域のハローワークが、職種別の募集賃金相場、求人倍率をインターネットで毎月公表しています。例えば、東京ハローワークでは、職業別有効求人・求職状況及び求人・求職賃金状況を公表しています。求人倍率の高い地域では、平均的な賃金では人材を集めるのは難しいことを留意しましょう。

indeed

最近CMでよく見る求人サイト「indeed(インディード)」です。ネット求人のまとめサイトとしての性格も持っているため、ハローワークのほか、提携している求人媒体の情報をインターネットで見ることができます。地域と職種で一括検索できるので、ホテル旅館の求人相場を調べるのに役立つほか、求人票を内容を考えるのにも参考になります。

アルバイト・パート募集時平均時給調査

リクルートジョブズ社が、自社媒体におけるアルバイト・パートの募集時平均時給調査を毎月公表しています。このブログを書いている時点では、

三大都市圏の8月度平均時給は前年同月より26円増加の1,014円
2006年1月の調査開始以来過去最高を更新

とのことで、いかに時給相場が上がっているか分かると思います。ただし、民間の求人広告を利用する会社は、ハローワークしか使用していない会社よりも一般的に高い時給を提示すると思われますので、求人相場全体の実勢から見ると若干高めであると考えておいた方が良いでしょう。

賃金構造基本統計調査

厚生労働省がインターネットで公表している賃金に関する統計が「賃金構造基本統計調査」です。データを見るのに慣れとコツが必要ですが、情報としてはかなり充実したものです。職種別だけでなく、性別、企業規模別、雇用形態別、都道府県別、役職別、年齢別、経験年数別の切り口で平均賃金を知ることができます。例えば、30歳で経験年数14年の男性調理士の所定内給与額の平均はいくらか知ることができるので、モデル賃金を作るのにも役立つでしょう。

採用時の基準は、自社の募集賃金を平均±○○円と決めておけば、社内の合意形成もしやすいでしょう。

国内企業の求人意欲が旺盛なことに加えて、旅館・ホテルの新築、増改築ラッシュにより、今後もさらに給与・賃金相場が上昇していくことが予想されます。昨年出していた募集時給は、今年は勝負にならないと言うことも珍しくありません。今回ご紹介した情報を参考にして、募集賃金の相場を常にチェックするようにすることをお勧めします。